■■■「ダークネス」■■■
(50点/オカルト)
ある日、ピーターは家族や友人と共に、先住民の古代遺跡があると言われている岩山にキャンプに出掛ける。
その場所で息子のマイケルは、洞窟のなかで見つけた奇妙な紋章のような模様が彫られた石を持ち帰るが、その日以降、家の中で異様な臭いや奇妙な物音や人影を見かけるようになるという不気味な事件が発生。
やがて事態がエスカレートしていくにしたがって、もともと不和を抱えていた彼らの過程は崩壊の危機を迎える事になってしまう…
とある一家が荒野の遺跡から先住民のまじないの石を持ち帰った事から、悪霊によって恐怖にさらされるというオカルトホラー映画。
ケヴィン・ベーコン主演で「パージ」や「インシディアス」でお馴染みのジェイソン・ブラムが制作に加わった作品という、割と鳴り物入りな感じの新作オカルト映画なのですが、実際の中身の方はなんというか『地味なオカルト映画』というのが正直な感想です。
お話としては、『ある家族が岩山にキャンプに出掛けた際に息子が古代遺跡から奇妙な石を持ち帰ったせいで、一家が悪霊に襲われる』というオーソドックスな感じの内容で、コレだけ聞くと特に問題も無い普通のオカルトホラーっぽいのですが、なんというか全体的なテンポが非常に悪いんですよ。
主人公たちが石を持ち帰ってから異常な現象が起こり始めるまでの間も結構長いですし、起こり始めた怪奇現象も物凄く地味でイマイチ盛り上がりに欠けます。
イマイチ盛り上がらない間に他に何をやっているかというと、この主人公の家庭が息子が自閉症で娘は拒食症、父親は過去に浮気をした事があって夫婦の関係が冷め切っており、旦那に不信感を抱いた母親がアルコール依存症になってしまっている…というなんとも複雑な家庭内不和を抱えており、その辺の話が割とダラダラと描かれている感じ。
また、その家庭内不和も刃傷沙汰になるほど酷い状況という訳でも無いので、ホラーを観たくて映画を見ている自分としては、正直言って退屈でダルいだけにしか感じられないのは困りもの。
お話が核心に近づいて謎解きが始まってからの展開はそこそこ面白いのですが、盛り上がり始めた後の展開もコレと言って派手な見せ場もあまり無く、オチもアッサリしすぎでいま一つ盛り上がりに欠ける印象。
そもそも、ようやく盛り上がり始めるのが90分の尺の映画で60分辺りからなので、流石にちょっと物足りなさすぎでしたよ…
ケヴィン・ベーコンが主演なだけあって、特撮とか映像とかには割とお金がかかってそうですし、『アメリカ先住民の呪術』とか『封印された悪霊』という設定は悪くないと思うので、全体的にもうちょっとどうにかならなかったものかなぁ…ってのが正直な感想かなぁ?
あと割とどうでも良い事なのですが、本作のパッケージのデザインが「フッテージ デス・スパイラル」とソックリなんですけど(最初、間違えて旧作を借りてしまったのかと思った)、このデザインって何か有名な元ネタみたいのがあるんでしたっけ?
総評としましては、『いまひとつパッとしない印象のB級オカルト映画』って感じの作品ですね。
そこまで酷い出来な訳でも無いのですが、特にコレといって印象に残る部分が無いため『半年ぐらいしたらキレイさっぱりと中身を忘れてそうな映画』という感じかなぁ?
敢えてオススメする要素も無いので気になるならばお好みでってところですが、作品の系統的に割とスグにHuluとかNetflix辺りのネット配信とかに来そうな気がするので、急がないのであればそっちでチェックしておくのが良いかもしれません。