NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ホーンテッド・サイト」(45点/オカルト)

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■■■「ホーンテッド・サイト」■■■
(45点/オカルト)

 新聞社で不動産の記事を書くジュリアは、ある日、唐突に姉夫婦と甥を見知らぬ男に殺害されてしまう。

 最愛の家族を失い絶望に暮れる彼女は、姉夫婦の住んでいた家が事件の直後に何者かに売却され、『殺人事件のあった部屋』のみが改装工事で取り除かれてどこかに運び去られている事を知る。

 家の異常な状態に不審なものを感じた彼女は、恋人のグレイディと共に事件の調査を開始。
 姉の家の部屋が、ニューイングランドの田舎町に住む謎の富豪によって買い取られており、その富豪が更に同様の事故物件を大量に買い集めている事を突き止める。

 そして、富豪の目的を知るためにその土地へと乗りこんだ彼女は、その場所に『殺人事件のあった部屋』のパーツを集めて作られた恐るべき屋敷が建造されている事を知るが…



 謎の富豪によって建造された『殺人事件のあった部屋』を繋ぎ合わせて作られた屋敷と、その屋敷に関わる恐るべき秘密を描いたオカルトサスペンス映画。

 『殺人事件のあった部屋』を繋ぎ合わせて屋敷を作り出すという設定だけ聞くと物凄く奇抜で面白い設定に感じるのですが…

 確かに設定は魅力的で面白いのですが、肝心の映画の中身の方はなんというか色々とツッコミどころの多い作品です。

 お話としては、『何者かに唐突に姉夫婦を殺された女性が、事件の原因を探るうちに『殺人事件のあった部屋』を買い集めている謎の富豪の存在を知るんだけど、実はこの富豪は彼女自身の過去の秘密に関わっており…』みたいな感じのお話。

 先述のとおりオカルトとしてのプロットは抜群に面白く、謎の富豪が何のために『殺人事件のあった部屋』を買い漁っているのか…といったフックの部分や謎解きは抜群に面白いです。

 『殺人事件のあった部屋』を繋ぎ合わせて屋敷を作るというクレイジーな設定も魅力的でなうえに非常に個性的で良い感じなのですが…

 何が残念かって、肝心の謎解きの『答え』があんまり面白く無いんですよねぇ。

 事件の真相に『彼女自身の生い立ち』みたいなのが関わってくるのですが、どうにもこの辺の設定がどうにもゴチャゴチャとしすぎな印象。

 設定が矢鱈と複雑なせいもあって、謎解きに無駄に時間がかかってお話がなかなか前に進まないので、観ていてちょっとイライラしてしまいました。

 肝心の『殺人屋敷』が登場してからの展開は非常にテンポも良く、ビジュアル的にもなかなかインパクトがあって面白かったのですが、『殺人屋敷』の中でのシーンがあんまり長くないのもちょっと不満。

 ぶっちゃけ無駄にゴチャゴチャした設定を作らずに、普通に『クレイジーな富豪が殺人屋敷を作ってて殺人屋敷は超ヤバい場所になってる』みたいな感じで、『殺人屋敷』の中での出来事をメインに幽霊屋敷ものとして描いた方が面白かったんじゃないかと…

 しかも設定が無駄に難解な割にはラストも『なんじゃそりゃ?』って感じで、オチがついてるんだかついてないんだか良く分からないような終わり方ですし、何というか全体的にもうちょっとどうにかならなかったものかなぁ?って感じでしたよ…


 総評としましては、色々な意味で『微妙にモヤっとした気分になるオカルトサスペンス映画』って感じの作品です。

 設定だけは抜群に面白いと思うのですが、その設定に期待して観ると『ちょっと物足りなさを感じてしまうような内容』という印象かなぁ?

 全体的にはそこまで悪い出来でも無いですし、ラストの『殺人屋敷』のビジュアルとか観るべき部分もそこそこあるので、気になるのであればチェックしておいても損は無い一本かもしれません。