NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「キラークラウン 血の惨劇」(20点/オカルト)

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■■■「キラークラウン 血の惨劇」■■■
(20点/オカルト)

 とあるアメリカの田舎町で、殺人予告の時刻が書かれた風船を受け取った一人の少女が、予告どおりに殺人ピエロに殺害されるという事件が発生。

 クラウン(ピエロ)恐怖症の大学生のエマは、平和な田舎町で起きた殺人事件に恐怖するが、その夜に彼女も殺された殺された少女と同様に殺人予告の書かれた風船をピエロから受け取ってしまう。

 彼女は友人のヘザーとジョナに相談するが事件の内容を信じて貰えず、そんな折に殺害された少女の父親と出会った彼女は、殺害された少女が自分と同様に殺害予告の風船を受け取っていた事を知るが…



 クラウン(ピエロ)恐怖症の少女が謎の殺人ピエロから殺害予告を受け取った事から、その恐怖と対峙する事となる…というオカルトホラー映画。

 「IT」の再映画化に先駆けての便乗ネタなのかは知りませんが、全体的に『うーん、ナンジャコリャ?』って感じの映画でしたよ。

 何がナンジャコリャなのかというと、とにかくストーリーがグテグテすぎるという事。

 ストーリーの繋がりが物凄く雑で、観ていて物凄く違和感のあるシーンが多いんですよね。

 例えば、主人公が殺人ピエロから殺害を受けた後に主人公よりも先に殺された少女の父親と出会うシーンがあるのですが、そのシーンでいきなり『私もピエロから殺害予告を受けました』みたいな事を語るのですが…

 確かに視聴者は、最初の少女がピエロの殺害予告を受けて殺された事を知っているのですが、劇中では主人公はその話を知らない筈(少し前のシーンで『町で殺人事件があったらしい』という話を聞いているレベル)なのに、いったいどこから殺人ピエロの話を聞きだしたのかと…

 その他にも『え、さっきそんなこと言ってなかったよね?』というシーンや、『ここのは話の繋がりは唐突すぎない?』というようなシーンがいっぱいあって、ストーリーに不整合やら雑な部分が多すぎて、『実は公開する前に全編の2割ぐらいのシーンをカットしたんですよ』と言われれば納得してしまうぐらいのレベル。

 脚本家が悪いのか監督が悪いのかは分かりませんが、この映画のスタッフは映画全体を一度見直して、お話に不自然なところや分かりにくいところが無いかを見直してみる方が良いと思います。

 まあでもB級ホラーの脚本の不整合なんて些細な事なので、お話のつじつまが変なのはさておくとしても、本作がホラーとして面白いかと言われると、そちらに関しても正直言って微妙なところ。

 全体的に恐怖の演出がイマイチで、一部のショッカー演出で『おっ!!』って感じでビックリさせられる部分はあるものの、それ以外の怖がらせる要素が弱すぎます。

 殺人ピエロも単なる『猫背て姿勢の悪いピエロ』という意外に特にコレといって特徴が無くてどうにも魅力が薄いですし、襲撃回数が多い割には『単にビビらせるだけ』で何もしない事が多くて、どうにも拍子抜け。

 そもそも『連続殺人鬼に主人公が狙われる』みたいな設定の割に、主人公の狙われるのが2番目なので、ちっとも『連続』って雰囲気じゃなくて緊迫感とかが物凄く薄いんですよね。

 なんでハッタリでも『実は過去にもこういう連続殺人事件が!!』みたいな設定を付けなかったのかと…
 終盤で明かされる事件の黒幕の設定も矢鱈と唐突で意味不明ですし、お話に脈絡が無さ過ぎです。

 あと、ここから先は激しいネタバレになってしまうのですが、本作のネタバレを食らってそこまで困る人が居るとも思えないのでぶっちゃけて書いてしまうと……

 お話の終盤で殺人ピエロの正体が、悪魔だか使い魔だかの『超自然的な存在』だという事が明かされるのですが、この悪魔、ラストでヒロインの反撃を受けてカッターで刺されただけでアッサリと絶命してしまいます。

 これに対して黒幕のセリフが『反撃を受けるとは思っていなかった』みたいな事を言うのですが、いやいやいくらなんでも『女の子にカッターで刺されただけで死んでしまう超自然的存在』って貧弱すぎだろ!!

 そもそも黒幕は、そんな貧弱な悪魔を呼び出して何をしようとしていたのかと…


 総評としましては、正直に言って『微妙で盛り上がりに欠けるオカルトホラー映画』としか言いようが無いような作品です。

 特にコレといって褒めるべき要素もあまり思いつきませんが、色々とツッコミどころの多い作品なので『ネタ映画』として観るぶんにはそこそこ楽しめる作品ではないかと…

 「IT」みたいな怖いピエロの登場する映画を期待していたら、思いっきり拍子抜けしてしまうと思いますので、マトモに怖い映画を期待している場合はスルーしてしまって問題の無い一本だと思いますよ。