NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ハンガリー連続殺人鬼」(55点/サスペンス)

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■■■「ハンガリー連続殺人鬼」■■■
(55点/サスペンス)

 1957年のハンガリー
 田舎町のマルトフという町で、殺害された後に屍姦された痕跡が残る若い女性の死体が発見される。

 ただちに犠牲者に横恋慕していた容疑者が逮捕され、終身刑の判決が下された事で事件は解決したかに見えたが、それから7年後に当時の事件を模倣するかのような『死後に死体がレイプされる』という連続殺人事件が発生。

 警察は事件を追ううちに、当時の判決は冤罪だったのではないかと疑問を抱くようになり、事件の真相を突き止めるために捜査を開始するが…



 1957年~67年にかけてハンガリーで実際に起こったという連続殺人事件を題材としたサスペンススリラー映画。

 いわゆる『実話をベースとしたストーリー』というタイプのお話で、リアル寄りのサスペンス映画という感じの作品ですね。

 リアル寄りの設定が用いられているせいもあってか登場人物の人間関係とかお話が少し難解で、特に序盤の事件の真相が見えてくるまでの部分は、観ていてちょっと混乱してしまいました。

 また、時代背景的に1956年に起こった『ハンガリー動乱(革命)』のあった時代がベースとして描かれているようなのですが、自分がその辺りの歴史的な事象を良く知らないのも、分かりにくさに拍車をかけている印象。

 ただ純粋にサスペンスとして観るとまあまあ良く出来ている感じで、『死体にのみ欲情する』という殺人犯の異常な性癖やら、犯人が欲望を満たすためだけに犯行を重ねていく姿は、なかなか不気味で怖いです。

 またミステリーとしての意外性とかはあまり無いものの、最初は良く見えなかった謎が事件が進むに従って徐々に明らかになっていき、最終的には非常にスッキリと全体像が見えるようになるという構成は、なかなかカタルシスがあって良い感じですね。

 ただ尺が2時間と少し長めなせいで、全体的に展開が遅くて序盤はちょっと冗長に感じる部分があったのは残念なところ。
 自分は序盤のお話の分かり辛さもあって、ちょっと眠くなってしまいました。

 あと、当時の社会的な背景とかを理解したうえで鑑賞した方がより楽しめると思うので、その辺の背景を多少は理解してる方がより楽しめる作品という感じでは無いかと思いましたよ…
 (というか、自分にはラストのオチの意味がいま一つ良く分かりませんでした。)


 総評としましては、特筆するほどでは無いものの『そこそこ良く出来たのサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。

 本作ならではのオススメできるほどの要素があまり無いものの、映画としては普通に楽しめるレベルではあるので、気になるならば観ておいても損はない印象かなぁ?

 特に欧州系のサスペンスとかが好きな人や、当時の社会背景的なノリとかに興味がある人であれば、チェックしておいても良い感じの一本だと思いますよ。