■■■「Re:デッド」■■■
(60点/サスペンス)
イタリアのボゲーラという田舎町に中世の魔女伝説を調査するために訪れた歴史学者のエマは、ツアーガイドのジュリアと同じツアーに同乗する事となったダニエルという男性と共に、中世の遺跡を目指す事となる。
しかし遺跡に向かう途中の道で車が故障し、立ち往生してしまっていたところ、マントと謎の仮面を付けた集団が彼らの元に現れ、エマはいきなりその集団によって殺害されてしまう。
殺害された直後にベッドで目を覚ました彼女は、奇妙な悪夢を見たと思いそのままツアーに参加するが、そこでも同じ時間に同じ場所で殺害され、またベッドの中で目を覚ますという事を繰り返す事になってしまう。
『同じ日の同じ時間に永遠に殺され続ける』という奇妙な時間のループに囚われたと気付いた彼女は、なんとかしてこのループを脱出しようと試みるが…
魔女の呪いによって『同じ日の同じ時間に永遠に殺害され続ける』という奇妙なループに陥った女性が、なんとかしてそのループから抜け出そうとするという、オカルトサスペンス映画。
時間ループものという、ちょっとSFっぽいネタのオカルトサスペンス映画ですが、延々と同じ時間に殺され続けるというとアニメ(ゲーム)の「シュタインズゲート」の『延々とヒロインが殺され続ける時間ループ』を連想させるような作品ですね。
本作も時間ループものホラーらしい絶望感はなかなか良く出ており、『蘇って次のループが発生する度に殺される』、『襲撃者を撃退してもやっぱり殺される』、『自殺してもループに戻される』という八方塞がりな感じの閉塞感と、それによって徐々に主人公が精神を病んでいくという流れは、なかなか良い感じです。
過去の映像のフラッシュバックやら殺害シーンやらで、ダリオ・アルジェントの映画をイメージさせるような雰囲気があるのも個人的には好感触。(イタリアの映画だし、やっぱり意識しているのかな?)
ただ、ループで殺されるバリエーションに関してはちょっと乏しい印象で、『飛行機で国外に逃亡する』とか『わざと逮捕されて牢屋に入る』といった感じの、『襲撃者による殺害が困難なシチュエーション』に逃げ込んだ時に何が起こるのかもシッカリと描いて、もっと絶望感を感じさせて欲しかったかな?
謎解きが進み始めてからの展開もテンポ良くて面白いんだけど、設定がちょっと唐突な感じでストーリー的にちょっと違和感がある印象。
ネタバレになるのであまり詳しくは書きませんが、終盤の魔女と対抗組織の関連性やら、ラストで何が起こったのやらもちょっと分かり難かったので、このへんはもうちょっと説明があっても良かったかも?
(というか、最後の記者と刑事のエピソードって必要あった? まあ、なんとなくイタリア映画っぽいノリではあるけど…)
あと魔女のお姉ちゃんは、『何回殺されてからヒント出してるねん、ヒントくれるの遅すぎやろ!!』とツッコミを入れたくなったのは自分だけ?
総評としましては、まあまあ良く出来た『タイムループもののオカルトサスペンス映画』って感じの作品です。
色々とツッコミどころや物足りない部分もありますが、ジャンルとしてのツボはそこそこ押さえて作られていると思いますので、その手の作品が好きであればそれなりに楽しめる一本だと思います。
強く推すほどではないですが、タイムループものとかが好きで気になっているならばチェックしておいても良い程度の映画だと思いますよ。