NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リターン・オブ・ジーパーズ・クリーパーズ JEEPERS CREEPERS 3」(45点/モンスター)

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■■■「リターン・オブ・ジーパーズ・クリーパーズ JEEPERS CREEPERS 3」■■■
(45点/モンスター)

 とある田舎町で、荷台に大量の死体を積んだトラックが発見されるという事件が発生。

 地元の保安官であるダニーは、23年前に怪物に遭遇した経験から、これが『23年に一度、23日間だけ目覚めて人間を喰らう』と言われている都市伝説の怪物の仕業だと確信する。

 彼は過去に怪物によって友人や家族を殺された人々を集結して、怪物を撃退するためのチームを結成。

 彼の同僚で腕利きの狙撃手であるデイヴィスは、討伐チームに加わるように勧誘されるが…



 『23年に一度、23日間だけ目覚めて人間を喰らう』という都市伝説の怪物と彼に恨みを持つ人間たちとの対決を描いた、モンスターホラー映画。

 F・コッポラ監督の制作という事で鳴り物入りで公開された都市伝説ホラーシリーズであるジーパーズ・クリーパーズ」シリーズの第三弾。

 もともと鳴り物入りの割には、内容的には『味のあるB級ホラー』って印象のシリーズでしたが、最新作でも同じようにB級ノリは健在である意味で安心して観られる内容という感じの作品ですね。

 内容がどうこういうよりも、最早『14年ぶりに新作が作られた』という事じたいに価値があるような作品です。

 ちなみに、ややネタバレになってしまうのですが、タイトルには『3』と冠しているものの、時系列的には『2(ヒューマン・キャッチャー)の前日譚』的な部分に位置するストーリーですね。
 (ぶっちゃけ、自分も2のストーリーとか殆ど忘れていたのですが、3のラストを観て『ああ、そういやそんな話だったな』と思い出したレベルなので、2を知らなくても余り問題はありませんが…)

 前作から引き続いて『怪物の不死身具合のインフレぶり』はなかなか楽しくて、もはや『こんなのどうやって倒すんだよ』ってレベルにパワーアップしてるのは、なかなか笑わせてくれます。

 怪物の『物凄く悪そうな顔で楽しそうに人間を殺す姿』もなかなかに魅力的ですし、殺人トラップ満載のトラックといったギミックなんかも面白くて、まさに『怪物の暴れっぷりをひたすら楽しむための映画』という感じ。

 ただ、ぶっちゃけそれ以外の部分は非常に微妙な印象なのが困りもの。

 ストーリーはたいして深い内容がある訳でもなく、怪物以外へのキャラへの掘り下げも薄いため、全体的にどうにも冗長。

 魅力的な怪物の出番もそこまで多くない割に、怪物が出てきていない場面に関してはぶっちゃけ退屈です。

 途中で『遂に怪物の正体が明かされる』みたいな伏線が描かれるのですが、結局なんだか良く分からないままでなんとも肩透かしですし、ラストも何のオチも無い物凄い投げっぱなしみたいな終わり方で、どうにもスッキリしません。

 怪物を討伐するために結成された自警団みたいな人たちも、全く見せ場がない噛ませ犬みたいな状態だったので、できれば激しいバトルを繰り広げて盛り上がるシーンとかを見せて欲しかったですよ…

 まあ、設定的に『2の前日譚』という事情もあるのでしょうが、全体的にもっと山場となるシーンやらシッカリとしたストーリーを描いて欲しかったです。

 個人的には『閉鎖環境でひたすら怪物が暴れているだけ』みたいなノリの2の方が好きだったかなぁ…


 総評としましては、『怪物の無軌道な暴れっぷりをただただ楽しむための低予算モンスターホラー映画』って感じの作品ですね。

 ストーリーとかグテグテですし色々と物足りないもありますが、ジーパーズ・クリーパーズ」の怪物の大暴れっぷりを十数年ぶりに観ることが出来るという事に価値を見出せる人であれば、観ておいて損は無い作品だと思います。

 ただ、怪物のキャラの魅力以外にはそこまで観るべき要素もないので、旧作を観てない人はそちらを鑑賞してから観た方が良い作品かもしれませんよ。